ココアスポンジケーキの【ケーキ屋レシピ】|3~8号全サイズ対応(9cm,12cm,15cm,18cm,21cm,24cm)

この記事では、魔法洋菓子店ソルシエのパティシエが、ココアスポンジをで作る方法を写真付きで解説します。

通常のスポンジケーキとの違いは、材料の薄力粉の一部(12%)をココアパウダーに置き換えるだけです。初めてでも美味しく作れるようにお伝えしますので、ぜひチャレンジしてみてください。

3~8号まで「全サイズ」対応

この記事では、3号(直径9cm)~8号(直径24cm)まで、全6サイズの分量をご紹介します。お手元のケーキ型のサイズを気にせずお作りいただけます。

今回ご紹介するのは「共立て法」での作り方

スポンジケーキの作り方は共立て法別立て法の2種類があります。

この2つの詳しい比較はこちらの記事で解説しています。

共立て法と別立て法の違いは?

今回は共立て法で作りますが、同じ材料で別立て法でも作ることができます。

別立て法なら、ハンドミキサーがなくても作れますので、ハンドミキサーをお持ちでない方はこちらの記事を参考にしてみてください。

ミキサー無し!別立て法スポンジケーキ6号レシピ【18cm:6人~8人分:ビスキュイ】

この記事では通常のスポンジケーキの作り方をご紹介していますが、小麦粉の一部(12%)をココアパウダーに置き換えるだけでOKです。

ココアスポンジケーキの作り方【3号~8号サイズ】

では、さっそく作り方をご紹介していきます。

必要な材料(レシピ)

お手元のケーキ型のサイズに合わせて、レシピをお選びください。

材料名説明
全卵36 gMサイズ卵2/3個
砂糖21 g上白糖でもグラニュー糖でも可
薄力粉16 g
ココアパウダー2 g
バター4 gサラダ油、太白ごま油に置き換え可
牛乳1 g無くても可(あれば乳糖の働きで焼き色が安定)
はちみつ2 g無くても可(あれば果糖の働きで保湿力UP)
材料名説明
全卵64 gMサイズ卵1と1/3個
砂糖36 g上白糖でもグラニュー糖でも可
薄力粉28 g
ココアパウダー4 g
バター8 gサラダ油、太白ごま油に置き換え可
牛乳2 g無くても可(あれば乳糖の働きで焼き色が安定)
はちみつ3 g無くても可(あれば果糖の働きで保湿力UP)
材料名説明
全卵100 gMサイズ卵2個
砂糖57 g上白糖でもグラニュー糖でも可
薄力粉44 g
ココアパウダー6 g
バター12 gサラダ油、太白ごま油に置き換え可
牛乳4 g無くても可(あれば乳糖の働きで焼き色が安定)
はちみつ5 g無くても可(あれば果糖の働きで保湿力UP)
材料名説明
全卵144 gMサイズ卵3個
砂糖82 g上白糖でもグラニュー糖でも可
薄力粉63 g
ココアパウダー9 g
バター17 gサラダ油、太白ごま油に置き換え可
牛乳6 g無くても可(あれば乳糖の働きで焼き色が安定)
はちみつ7 g無くても可(あれば果糖の働きで保湿力UP)
材料名説明
全卵196 gMサイズ卵4個
砂糖112 g上白糖でもグラニュー糖でも可
薄力粉86 g
ココアパウダー12 g
バター24 gサラダ油、太白ごま油に置き換え可
牛乳8 g無くても可(あれば乳糖の働きで焼き色が安定)
はちみつ10 g無くても可(あれば果糖の働きで保湿力UP)
材料名説明
全卵256 gMサイズ卵5個
砂糖146 g上白糖でもグラニュー糖でも可
薄力粉113 g
ココアパウダー15 g
バター31 gサラダ油、太白ごま油に置き換え可
牛乳10 g無くても可(あれば乳糖の働きで焼き色が安定)
はちみつ13 g無くても可(あれば果糖の働きで保湿力UP)

牛乳とはちみつは、どちらもスポンジのしっとり感をプラスする役割がありますが、なければ省略可能です。

スポンジケーキに入れる油脂には、バター、サラダ油、太白胡麻油が用いられます。油脂ごとに以下のような違いがあります。今回は、共立てスポンジならではの「しっとり感」を感じて頂くためにバターを採用しています。

バター香りが良くしっとりとしたスポンジに仕上がる。
サラダ油ふわふわとスッキリとした味わいのスポンジに仕上がる。
太白胡麻油サラダ油とほぼ同じ食感で、サラダ油よりも香りが少ないので油の匂いが気になる方におすすめ。

必要な道具

ココアスポンジケーキを作るのに必要な道具はこちら。

  • オーブン
  • ハンドミキサー(電動ミキサー)
  • キッチンスケール(はかり)
  • 泡だて器(ホイッパー)
  • ふるい(またはザル)
  • ゴムベラ
  • ケーキ型
  • クッキングシート
  • ボウル
  • フライパンまたはお鍋(湯煎用)

オーブン、ハンドミキサー以外は全て100均などで揃えることができます。

あると便利な道具

  • 温度計

なければ手の感覚でも大丈夫です。

作業の流れを確認しよう

作り方は3ステップ。

下準備

ケーキ型にクッキングシートをセットする。

薄力粉とココアパウダーを合わせて紙などの上にふるっておく。

160℃でオーブンの予熱を開始する。

生地を作る

卵と砂糖、はちみつを混ぜ合わせ、40℃まで湯煎で温めてから泡立てる(高速4分→中速8分)

薄力粉とココアパウダーをくわえて粉が見えなくなるまで混ぜる。

バター溶液をくわえて混ぜる。

オーブンで焼く

生地をケーキ型に流し込み、予熱したオーブンに入れて焼く(サイズ別の焼き時間はこちら)。

焼き上がったらケーキ型を約30cmの高さから落として衝撃を与える。

熱いうちにケーキ型からスポンジケーキを取り外して冷ます。

ステップ毎に詳しくご説明します。

写真を見ながら作っていこう!

STEP.1 下準備

STEP.1-1 ケーキ型にクッキングシートを敷く

まず、ケーキ型にクッキングシートを敷きます。

側面のクッキングシートが倒れてくるときは、ケーキ型にバターまたはサラダ油を薄く塗って下さい。クッキングシートが張り付いて倒れてこなくなります。

クッキングシートはコピー用紙でも代用可

スポンジケーキを焼く温度帯(160℃前後)であれば、クッキングシートの代わりにコピー用紙を使っても問題ありません。新聞や広告はインクの関係上NGです。

クッキングシートの切り方はこちらの記事を参考にしてください。

ケーキ型用クッキングシートの作り方 【簡単】ケーキ型にクッキングシートを敷く方法【慣れれば5分】| 魔法洋菓子店ソルシエ

STEP.1-2 小麦粉とココアパウダーをふるう

次に、フルイまたはザルを使ってクッキングシートや紙の上に小麦粉とココアパウダーを合わせてふるっておきます。

この時点でふるっておくと、泡立てた生地に加えるときに大変スムーズです。

STEP.1-3 160℃でオーブンの予熱を開始

少し早めですが、この時点で予熱を開始してしまいましょう。

160℃でオーブンの予熱を開始する

操作方法はオーブンの種類によって違いますが、大体このような流れになります。

「オーブン予熱有り」などの機能モードを選ぶ

オート機能で「スポンジケーキ」が選べる場合は、そちらの機能を使っても大丈夫です。

天板の上段、下段を選択する

選択しない機種もあります。

温度設定を160℃にセットし開始ボタンを押す

機種によっては、焼き始める前にタイムアウトで電源が切れてしまうことがあります。

その場合は、焼く直前で大丈夫ですので再度予熱を開始してください。

すでにオーブンが温まっているので、数分で予熱が完了します。

STEP.2 生地を作る

STEP.2-1 卵、砂糖、はちみつを合わせる

大きめのボウルに卵液生地の材料(卵+砂糖+はちみつ)を合わせたらすぐにホイッパーで軽く混ぜます。

砂糖を入れたらすぐに混ぜる

砂糖は卵黄と触れた状態で放置するとダマになってしまうので、すぐに混ぜましょう。

STEP.2-2 卵液生地(卵+砂糖)とバターを湯煎する

全卵と砂糖が混ざったら、60~80℃のお湯で卵液生地を40℃ぐらいまで常に混ぜながら温めます。

温度計が無い場合は、指を入れてみてお風呂ぐらいの温度になればOK。
*温める間は常に混ぜる

急激に温度があがらないよう、沸騰する少し手前の温度(80℃以下)でかき混ぜながら湯煎しましょう。

卵と砂糖を加熱すると、水様化して粘性が下がります。

粘性が下がることで卵白と卵黄が広く拡散するようになり、安定した泡を早く作ることができるようになるというわけです。

卵液生地は約36℃でサラサラしはじめますが、少し高めの「40℃」と覚えておくと温度の下がりやすい冬場も安定してスポンジを作ることができます。

卵を温め終わったら、湯煎のお湯にバターを浸けておきます。

STEP.2-3 卵液生地を泡立てる(高速4分→中速8分)

まずは最高速(5段階なら5の速さ)4分泡立てて生地の中にシャボン玉のような大きな泡を一気に作ります。

その後、中速度(5段階なら2~3の速さ)に切り替えて更に8分泡立てれば、洗顔フォームのようなきめ細かくて丈夫な泡の完成です。

中速度で撹拌して8分後

近くでみると中速で8分混ぜた後の方が泡が細かく大きさが整っているのがわかりますね。

この段階できめ細かく丈夫な泡を作っておくことで、この先の工程で泡がつぶれて失敗する可能性がぐっと低くなります。

共立て法では混ぜすぎで失敗することはほとんど無いので、泡立てが足りないと感じたら追加で泡立ててください。

ハンドミキサーを持ち上げたとき、生地がリボンのようにひらひらと落ち、その跡がすぐには消えずに残る状態。これが、泡立て完了の理想のサインです。

STEP.2-4 薄力粉とココアパウダーを加える

ここからは、ココアパウダーに含まれる油分の影響で泡が割れやすくなるので、手早く作業を進めましょう。

粉をあわせる工程は、スポンジケーキ作りで一番むずかしいと感じられる工程ですが、注意点は一つ。

それはゴムベラでボウルに触れるのは一番最後ということです。

実際にやりながらご説明します。

まず、あらかじめふるっておいた小麦粉とココアパウダーをすべて生地の中に投入します。

最初は、ボウルに触れないように中心付近だけで混ぜていきます。生地に小麦粉を取り込んでいくイメージで、徐々に混ぜる範囲を広げていきます。

※写真は通常のスポンジケーキを作っている時のものです

小麦粉がほどんど見えなくなってきたら、ここで初めてボウルをこすってかき混ぜます。

ここで粉がダマになって残ると、理想の口溶けからほど遠い仕上がりになってしまいます。

「泡が消えてしまうかも・・・」と不安になるかもしれませんが、ハンドミキサーでしっかりと立てた泡は、この段階では、皆さんが思うよりもずっと丈夫です。仕上げの混ぜ合わせは、恐れずしっかりと混ぜ合わせてください。

STEP.2-5 卵液生地にバター溶液を加える

次に、温めておいたバターと牛乳(バター溶液)を加えます。ただし、バターに含まれる油脂は、卵の気泡を消しやすい性質を持っているため手早く混ぜる必要があります。

手早く混ぜ合わせるために、バター溶液のボウルに泡立てた卵液生地をひとすくい加え、あらかじめ混ぜ合わせておきます。この「ひと手間」で2つの生地の濃度が近くなり、格段に混ざりやすくなります。

お菓子作りの現場では、生地の泡立て具合の目安として「100mlあたりの重さ」をはかります。泡立てていない卵液は100mlあたり100g以上ありますが、しっかり泡立てた卵液生地は空気をたくさん含むため、22g前後まで軽くなります。一方、バター溶液の重さは90g前後。泡立てた卵液生地に比べるととても重い液体です。

もし、この重いバター溶液軽い卵液生地に一度に加えるとどうなるでしょう。バター溶液は重いため底に沈み、簡単には混ざりません。均一にしようと混ぜれば混ぜるほど、バターのもつ消泡作用によって卵液生地の泡がこわされ、生地のふくらむ力を奪ってしまいます。

そこで、この失敗を防ぐために「仲介役」を作ってあげます。まず、重いバター溶液に、軽い卵液生地をひとすくい加え、ここで均一になるまで混ぜ合わせます。こうすることでバター生地の比重が少し軽くなり、メインの卵液生地の比重に近づきます。その後、「仲介役」を卵液生地のボウルに戻してあげれば、比重が近くなっているため、最小限の混ぜる回数で泡を壊さず全体をムラなく混ぜ合わせることができるのです。

これを本体のボウルに戻し入れ、ゴムベラで底からすくうように大きく混ぜていきます。油脂を加えたあとは時間との勝負。手早く、しかし確実に混ぜきりましょう。

生地全体の色が均一になれば混ぜ終わりです。約15~20回の混ぜ回数で完了するのが理想です。

STEP.3 オーブンで焼く

STEP.3-1 生地をケーキ型に流し込む

クッキングシートをセットしたケーキ型に、生地を流し込みます。

STEP.3-2 160℃に予熱したオーブンに入れて焼く

160℃予熱したオーブンに生地を入れて焼いていきます。

焼き時間はオーブンの種類によって微妙に変わってしまいますが、平均的な焼き時間を下にまとめましたので、参考にしてみてください。

  • 3号(直径9cm) ⋯ 25分
  • 4号(直径12cm) ⋯ 27分
  • 5号(直径15cm) ⋯ 30分
  • 6号(直径18cm) ⋯ 32分
  • 7号(直径21cm) ⋯ 35分
  • 8号(直径24cm) ⋯ 37分
ワンランク上の仕上がりを目指す方へ

通常の焼き方でも十分に美味しく焼き上がりますが、もしオーブンの扱いになれてきて「お店のようなしっとり感を再現したい」と感じたら、ぜひ試してほしいテクニックがあります。ご興味のある方は、すぐ下にある「ケーキ屋さんのしっとり感をご家庭のオーブンで再現する方法」の項目をぜひご覧ください。

「レシピ通りなのに、なんだかケーキがパサつく⋯」

これは、ご家庭でスポンジケーキを焼くときのよくある疑問かと思います。その原因は、家庭用オーブンの特性にあります。

なぜ、家庭用オーブンでは乾燥しやすいのか

現在主流の家庭用オーブンは、熱風をファンで循環させて焼く「コンベクション式」です。熱が均一に伝わるためクッキーなどはサクッと仕上がりますが、常に風があたっているため、生地の水分が奪われやすいという弱点があります。これが、スポンジケーキがパサつく最大の原因です。(※スチーム機能付きのオーブンをお持ちの場合は、ぜひその機能を活用してください)

ケーキ屋さんの「しっとり感」を再現する裏ワザ

お店で使う大型のガスオーブンなどは、庫内が広く熱がじんわりと伝わるため、生地の水分を保ったまま焼き上げることが出来ます。この環境に近づけるのが、天板に濡れタオルを敷いて焼くという方法です。

オーブンの熱でタオルから発生した水蒸気が庫内に充満し、生地の乾燥を防ぎながら、火の当たりを柔らかくしてくれます。これにより、パサつきが抑えられ、ケーキ屋さんのようなしっとりとした食感に仕上がるのです。

裏ワザを使う前の注意点

この方法は非常に効果的なのですが、初めてスポンジケーキを焼く方には難易度の高いテクニックです。挑戦するまえに、以下のリスクを必ず理解しておきましょう。

  • 焼き時間が変わる : 熱の伝わり方が変わるため、レシピ通りの時間では生焼けになる可能性がある。
  • 水分量がシビア : タオルの水分が多すぎると「焼き」ではなく「蒸し」の状態になり、焼色がつかない。
  • オーブンとの相性 : ご家庭のオーブンのパワーやサイズによって、最適な水分量や焼き時間が異なる。

まずは通常の焼き方で、安定して美味しいスポンジケーキを焼けるようになることが最優先です。その上で、さらに「しっとり感」を追求してみたいと思ったときは、オーブンのクセを掴むまでの試行錯誤が必要ですが、ぜひ試してみて下さい。

焼き時間が終わったら、爪楊枝などで生地の中央付近を刺して生地がついてこなければOKです。

生地がついてくるようなら、そのまま追加で3分~5分焼いて下さい。

STEP.3-3 オーブンから取り出す

ココアスポンジをオーブンから取り出したら、30cmぐらいの高さから落として衝撃を与えます。

焼きたてのスポンジケーキは水蒸気で膨張した気泡の集まりのような状態です。

これをそのままにしておくと、水蒸気が冷えて気泡が収縮するとともにスポンジ全体が縮んでしまいます

これを防ぐのが衝撃です。

あらかじめスポンジ内の気泡を衝撃で壊すことで、水蒸気の収縮による影響がスポンジ生地に直接伝わらないようにしてあげます。

衝撃を与えたらすぐにケーキ型ごと金網などにひっくり返して置き、ケーキ型を取り外します。

スポンジケーキを再度ひっくり返してクッキングシートをはがせば、しっとりココアスポンジケーキの出来上がり!

ラップに包んで冷蔵庫で1時間~1日寝かせると、更にしっとり美味しくいただけます。

3日以上保存する場合は冷凍保存がおすすめです。

スポンジケーキを保存するときの注意点についてはこちらの記事にまとめました。

スポンジケーキの保存方法|常温・冷蔵・冷凍での日持ちと期間をプロが解説

まとめ

今回は、通常のスポンジケーキの材料のうち小麦粉を一部(12%)ココアパウダーに置き換えて、ココアスポンジケーキを作る方法をご紹介しました。

ココアスポンジが美味しく焼けたら、次はいよいよデコレーションですね。

こちらの記事では、スライスしたスポンジケーキに「いちご」をサンドして、周りにクリームを塗る(ナッペ)までの工程を解説しています。

【ケーキ屋レシピ】 スポンジケーキに生クリームを塗る方法 【ケーキナッペ】

今回焼き上げたスポンジケーキが、素敵なデコレーションケーキに変身するのを、心から楽しみにしています!

それでは、また次のレシピでお会いしましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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